新・こだわり派宣言「酒」にこだわる
お酒好きには忙しいシーズンが巡ってきた。飲む場所や雰囲気も大事だが、「本当に旨い酒に巡り会いたい」という人も多いはず。そこで今回、究極の一品にこだわる日本酒ファンに、「酒米オーナー制度」を紹介しよう。
簡単にいえば、酒米栽培から醸造・蔵出しまでの酒づくりに出資して、搾りたての新酒を受け取るシステム。運営主体は農業生産者団体やNPOなどが多い。オーナーは田植えや稲刈り、酒蔵見学や搾り作業にも参加できる。そして年度末に手にするのは、ほかのどこにもない「自分で育てた自分の酒」だ。
京都市右京区嵯峨の、山田耕司さん(61)たち5軒の農家が集う「嵯峨酒づくりの会」は、オーナー制のパイオニア的存在。独自銘柄の純米大吟醸酒「月賞(げっしょう)」を手がけ、今年で14年目になる。農地を含め景観規制が厳しい嵯峨地域では、田んぼを作り続けながら、減反にも応じなければならない。難問の回答には、減反対象と認められる酒米の栽培しかなかった。「どうせなら、資金を募り自分たちで米も酒もつくるオーナー制度を」。有志が一致して京都特産の酒米品種「祝」を選び、約60アールに植え付けた。
「強風で稲が倒れたり害虫にやられたりしたけど、ようやく軌道に乗ってきました」。山田さんが振り返るように、「祝」の栽培面積は1ヘクタールに広がり、年間約350キロを収穫する。年会費は1口1万円で、オーナーは170人に増えた。6月の田植え、8月のかかし祭、10月の稲刈りにはオーナーとその子どもたちも参加して、にぎやかになる。
収穫した「祝」は、伏見区の齊藤酒造に醸造を委託した。全国新酒鑑評会で「連続12年金賞受賞」という優秀蔵だ。蔵に持ち込む「祝」の粒は45%まで磨く。12月から仕込みに入り、1月半ばが初搾り。醸造担当の同社取締役、藤本修志さんは「祝は、手がかかる難しい米ですが、うまく育てるとふくらみがあって、実においしい酒になる」。「げっしょう」は毎シーズン、1.8リットルびんで約1100本分が生産され、オーナーに配当される。買うとなれば1.8リットル5千円の高級酒だ。
酒米オーナー制度は、いま全国に広がってきた。田植えや稲刈りで流した汗のしずくが、珠玉の一滴に生まれ変わったのを自分の盃で確かめる。オーナーだけが味わえる至福の時間を、あなたも体験してみてはどうだろう。
■今回、ご紹介する「こだわり派」は、
嵯峨酒づくりの会(京都市右京区嵯峨)
代表:山田耕司さん
TEL:075(871)2130
■取材協力
齊藤酒造株式会社
(京都市伏見区横大路三栖山城屋敷町)
藤本修志さん TEL:075(611)2124
■キャプション
(1)純米大吟醸「げっしょう」
(2)嵯峨酒づくりの会 稲刈り風景(2008年)
(3)嵯峨酒づくりの会オーナーたちによる田植え(2008年)
(4)モロミを搾る装置
(5)齊藤酒造の酒蔵内部
(6)齊藤酒造の遠景
(7)収穫後、検査を受ける嵯峨酒づくりの会の酒米「祝」
(8)初搾りを迎えた「げっしょう」
(9)初搾りは1月の酒蔵見学当日に行う
(10)できたての「げっしょう」を試飲するオーナーたち

簡単にいえば、酒米栽培から醸造・蔵出しまでの酒づくりに出資して、搾りたての新酒を受け取るシステム。運営主体は農業生産者団体やNPOなどが多い。オーナーは田植えや稲刈り、酒蔵見学や搾り作業にも参加できる。そして年度末に手にするのは、ほかのどこにもない「自分で育てた自分の酒」だ。
京都市右京区嵯峨の、山田耕司さん(61)たち5軒の農家が集う「嵯峨酒づくりの会」は、オーナー制のパイオニア的存在。独自銘柄の純米大吟醸酒「月賞(げっしょう)」を手がけ、今年で14年目になる。農地を含め景観規制が厳しい嵯峨地域では、田んぼを作り続けながら、減反にも応じなければならない。難問の回答には、減反対象と認められる酒米の栽培しかなかった。「どうせなら、資金を募り自分たちで米も酒もつくるオーナー制度を」。有志が一致して京都特産の酒米品種「祝」を選び、約60アールに植え付けた。
「強風で稲が倒れたり害虫にやられたりしたけど、ようやく軌道に乗ってきました」。山田さんが振り返るように、「祝」の栽培面積は1ヘクタールに広がり、年間約350キロを収穫する。年会費は1口1万円で、オーナーは170人に増えた。6月の田植え、8月のかかし祭、10月の稲刈りにはオーナーとその子どもたちも参加して、にぎやかになる。
収穫した「祝」は、伏見区の齊藤酒造に醸造を委託した。全国新酒鑑評会で「連続12年金賞受賞」という優秀蔵だ。蔵に持ち込む「祝」の粒は45%まで磨く。12月から仕込みに入り、1月半ばが初搾り。醸造担当の同社取締役、藤本修志さんは「祝は、手がかかる難しい米ですが、うまく育てるとふくらみがあって、実においしい酒になる」。「げっしょう」は毎シーズン、1.8リットルびんで約1100本分が生産され、オーナーに配当される。買うとなれば1.8リットル5千円の高級酒だ。
酒米オーナー制度は、いま全国に広がってきた。田植えや稲刈りで流した汗のしずくが、珠玉の一滴に生まれ変わったのを自分の盃で確かめる。オーナーだけが味わえる至福の時間を、あなたも体験してみてはどうだろう。
■今回、ご紹介する「こだわり派」は、
嵯峨酒づくりの会(京都市右京区嵯峨)
代表:山田耕司さん
TEL:075(871)2130
■取材協力
齊藤酒造株式会社
(京都市伏見区横大路三栖山城屋敷町)
藤本修志さん TEL:075(611)2124
■キャプション
(1)純米大吟醸「げっしょう」
(2)嵯峨酒づくりの会 稲刈り風景(2008年)
(3)嵯峨酒づくりの会オーナーたちによる田植え(2008年)
(4)モロミを搾る装置
(5)齊藤酒造の酒蔵内部
(6)齊藤酒造の遠景
(7)収穫後、検査を受ける嵯峨酒づくりの会の酒米「祝」
(8)初搾りを迎えた「げっしょう」
(9)初搾りは1月の酒蔵見学当日に行う
(10)できたての「げっしょう」を試飲するオーナーたち

- 新・こだわり派宣言 |
- 2009-12-04 13:38:13

