食堂「わたつね」店主 中塚 博己さん



そばを通じて海外と交流広げる

 この春、フィンランドとエストニアを訪れ、現地の日本文化祭で「にしんそば」を振る舞ってきた。「食材はオール京都。美山・鶴ヶ岡産のそば粉を使い、うま味のきいた京風だしで、皆さんに喜んでもらえました」。ミニサイズながら3日間に計150杯近くを作った。
 そばを食べるのは日本だけではない。07年に自費で参加した中国での国際そばシンポジウムには14カ国、約200人が集まった。「世界にはいろんな食べ方があります。でも、そば切りは日本だけの技と味」。昨年はスウェーデンにも招かれ、めん棒をふるった。
 大阪外国語大イスパニア語学科卒。東京の外航海運会社に勤めていたが、31歳の時、父親が倒れ、京都へ戻って家業の食堂を継いだ。本格的に手打ちそばを始めたのは51歳から。麺類組合の仲間から手ほどきを受け、3年がかりで腕を磨いた。
 外洋にかけた夢は8年半で閉じたが、その語学力と人脈を生かし、いま「そば」という世界食を通じて海外とつながる。職業体験で受け入れる地元の中学生にいつも話す。「遠回りしても、頑張ればやれる」。京都府麺料理調理技能士会副会長。京都市中京区。
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