永観堂の左に振り向く阿弥陀仏

京都には“もみじの永観堂”と呼ばれる古寺があります。本来は禅林寺といいます。創建は仁寿3(853)年、開山は空海の弟子・真紹僧都になる。真紹僧都から数えて、禅林寺第7世住職に永観律師がいます。その永観に不思議な出来事がありました。永保2(1082)年、2/15早朝のこと。永観は念仏行道に励んでいた。仏道への修行の前になんと、本尊の阿弥陀仏が壇上から下りてきたではないか! 阿弥陀仏は永観の先に立って行道を始め、立ち止まっていた永観に対し、左に見返りながら「永観おそし」と告げたとか。我に戻った永観は、阿弥陀仏とともに行道を続けたそうです。
見返り阿弥陀仏と修行した永観は、衆生を救うために阿弥陀仏の姿をとどめることを決意します。鼓動が聞こえそうなほど静けさに満ちている永観堂阿弥陀堂は、堂内の右手に回って見ると、見返り阿弥陀如来像がある。小さな顔立ちには柔和な表情が浮かぶ。それにしても、なんて優しそうな顔をしているのでしょうか。顔は左に振り向いており、今にも語りかけてきそうですね。
常識やマナーを失った者、獣の如く荒れ狂う者達がはびこる今の世にあって、この阿弥陀仏はまさに救世主の面持ちなのである。阿弥陀堂にあった現代に問うならば、という文面の中には、
・愛や情けをかける姿勢
・思いやり深く周囲を見つめる姿勢
・遅れる者たちを待つ姿勢
などとあります。
見返り阿弥陀如来は現世にも救いの手を差し伸べる仏である。そばには、永観律師像も安置されている。永観堂と呼ばれる由縁は、見返り阿弥陀如来像を残した永観律師に帰趨する。
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- 2008-05-13 10:50:42

